リハビリテーションの思想
リハビリテーション(Rehabilitation)は、Re(再び)+habilitate(人間らしく適応する)という造語で、日本では、上田敏先生により「全人間的復権」として普及してきましたが、そもそもは「人権の回復」「名誉の復権」を意味します。歴史的には、ジャンヌ・ダルクk、ガリレオ、ニクソンなど一度社会から処分の対象となった人物がその後正しかったことが証明され、名誉を回復したことを「リハビリテーション」という用語を用いて説明されてきました。リハビリテーション裁判というのも有名です。
近代において「リハビリテーション」は、第一次世界大戦や第二次世界大戦において負傷した傷痍軍人の社会復帰・職業復帰を意味する言葉として普及していきました。一般的には、医学的リハビリテーション・教育的リハビリテーション・職業的リハビリテーション・社会的リハビリテーションに分類されます。これらに共通するのは、「リハビリテーションとは、立ち直りの哲学である」(八重田淳)ということです。現在、リハビリテーションは医療・保健・福祉分野で広く普及した概念となっていますが、その根本は対象者自身が病気や障害などから立ち直り、社会に復帰していくプロセスを意味しており、これらのプロセスを支援する立場として理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリテーション専門職が存在するという位置づけにあります。
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